朝ドラ『ばけばけ』の舞台を歩く
小泉八雲ゆかりの松江 聖地巡礼さんぽコース
はじめに

朝ドラ『ばけばけ』で注目を集めている松江。
この街は文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が日本で最初に暮らした場所であり、
彼が“日本の心”を見出した原点とされています。
武家屋敷の町並み、堀川の水の音、神話の息づく空気——。
そのすべてが八雲を魅了し、後に名作『怪談』へとつながっていきました。
この記事では、そんな八雲の足跡をたどる「松江の聖地巡礼コース」をご紹介します。
徒歩やバスでゆったり巡れる、文学と郷土の香りを感じる一日旅です。
松江駅 出発 市営バス/レイクライン
レイクラインで「小泉八雲記念館前」へ。
小泉八雲記念館・旧居
主要展示と旧居のみポイントを絞って見学。
武家屋敷・塩見縄手 散策
塩見縄手をさっと歩き、堀川沿いの景観を楽しむ。
ぐらへるん 立ち寄り 記念館前
八雲だんご/小泉八雲もなか などを手土産に。
昼食(出雲そば など)
八雲庵/神代そば ほか。混雑時は少し前倒しで。
城山稲荷神社〜松江城散策
朱の鳥居を抜けて参拝。城下へ戻って乗船場へ。
堀川遊覧船
低い橋をくぐりながら城下町を一巡。
島根県物産観光館 県庁前
「ハーンの羊羹」「子守り饅頭」「怪談クッキー缶」などをチェック。
八重垣神社
鏡の池の恋占い。バスは「八重垣線」、タクシー約17〜18分。
※堀川→物産館→八重垣は「県民会館前」or「大橋南詰」からの乗車が便利。
松江駅 着
シャミネ松江でも最後の買い足し可。
こまちゃんバスの乗車時刻や遊覧船の時間によって、スケジュールはけっこう変わるかも! なので、あくまで参考程度に考えてもらって、自分のペースでのんびり楽しんでね〜!
小泉八雲記念館と旧居




松江市北堀町にある「小泉八雲記念館」と「旧居」は、八雲ゆかりの地の中心。
1890年から約1年3か月、彼はここで暮らし、松江の人々や風土に触れて日本文化への理解を深めました。
記念館には直筆の手紙や著書、セツ夫人との生活を感じさせる資料が展示され、
旧居では当時のままの庭と書斎が保存されています。
畳に差し込む柔らかな光、静寂の中に響く風の音。
その空気を感じるだけで、八雲が見た「明治の松江」がふっと立ち上がります。
| スポット名 | 小泉八雲記念館 |
|---|---|
| 住所 | 島根県松江市奥谷町322 |
| 営業時間 | 4月〜9月/8:30〜18:30(最終入館18:10) 10月〜3月/8:30〜17:00(最終入館16:40) |
| 休館日 | 年中無休(展示替え・保守点検による臨時休館あり) |
| 入館料 | 一般 410円/小中学生 200円 ※小泉八雲旧居との共通券あり |
| 見どころ | 小泉八雲の愛用品・原稿・写真など約1,000点を収蔵。 明治期の松江での暮らしを感じる展示や、著作にまつわる資料も充実。 |
| アクセス | JR松江駅からレイクラインバス約20分「小泉八雲記念館前」下車すぐ |
| 公式サイト | 小泉八雲記念館 公式サイト |
武家屋敷と堀川遊覧船




城下の風情を感じたいなら、塩見縄手通りの武家屋敷エリアへ。
白壁と瓦屋根が並ぶ道は、まるで時間が止まったような静けさ。
近くを流れる堀川では、屋根付きの遊覧船が周遊しており、
水面から眺める城下町は格別です。
船頭さんの語りに耳を傾けながら橋の下をくぐる瞬間、
八雲が愛した「静けさの中の日本」が、少しだけ見えるかもしれません。
| スポット名 | 武家屋敷 | 堀川遊覧船 |
|---|---|---|
| 住所 | 松江市北堀町塩見縄手305 | 松江市黒田町507(ふれあい広場乗船場ほか) |
| 営業時間 | 8:30〜17:00(最終入館16:40) | 9:00〜17:00(季節により変動) |
| 料金 | 大人 310円/小中学生 150円 | 大人 1,500円/小人 800円(約50分周遊) |
| 特徴 | 松江藩士の暮らしを伝える武家屋敷。白壁と瓦屋根が美しい塩見縄手の風景に溶け込み、明治の面影を残す佇まい。 | 松江城のお堀を舟でめぐる人気アクティビティ。橋をくぐるたびに身をかがめ、季節ごとの景色を楽しめる。 |
| 公式サイト | 武家屋敷(松江観光協会) | 堀川遊覧船 公式サイト |
城山稲荷神社と松江城の城下を歩く




記念館から歩いてすぐの場所にあるのが「城山稲荷神社」。
朱塗りの鳥居が連なる参道は幻想的で、朝ドラ『ばけばけ』のロケ地としても知られています。
八雲はこのような“神と人が共に生きる風景”に深い関心を寄せたといわれ、
松江という街全体を一つの物語として感じ取っていたのでしょう。
神社の境内から少し足を延ばせば、松江城の散策もおすすめ。
堀川沿いを歩けば、八雲が暮らした当時と変わらぬ城下町の静けさに出会えます。
城山稲荷と松江城——二つの風景を続けて歩けば、明治と現代が重なる感覚を味わえるはずです。




| スポット名 | 城山稲荷神社(じょうざんいなりじんじゃ) |
|---|---|
| 住所 | 島根県松江市殿町449(松江城山公園内) |
| 参拝時間 | 境内自由(社務所受付 9:00〜17:00) |
| ご利益 | 商売繁盛・家内安全・開運招福・五穀豊穣など |
| 見どころ | 松江城の北側に位置し、千本の鳥居が並ぶ朱色の参道が印象的。 古くから城下町を見守る守護神として信仰を集める。 春には桜、秋には紅葉が美しく、フォトスポットとしても人気。 |
| アクセス | JR松江駅からレイクラインバス約10分「県庁前」下車 徒歩5分 |
| 公式サイト | 城山稲荷神社(松江城公式サイト内) |


八重垣神社(鏡の池)




松江市郊外にある「八重垣神社」は、八雲が深く関心を寄せた日本神話ゆかりの地。
縁結びの神としても知られ、境内の「鏡の池」では紙を浮かべて恋占いをする人々の姿が絶えません。
古代の神話と現代の祈りが同じ場所にある——そんな時代を超えた感覚が、この神社にはあります。
堀川遊覧船から向かう場合は、松江城近くの県民会館前バス停から
松江市営バス「八重垣線(八重垣神社行)」に乗車して約20分。
本数は1時間に1本ほどなので、時刻を事前に確認しておくのがおすすめです。
タクシーなら約6.5km・17分前後で到着します。
| スポット名 | 八重垣神社(やえがきじんじゃ) |
|---|---|
| 住所 | 島根県松江市佐草町227 |
| 参拝時間 | 境内自由(社務所・授与所 9:00〜17:00 目安) |
| 見どころ | 縁結びの聖地として知られる古社。 奥の院「鏡の池」では紙を浮かべて占う恋占いが人気。 随神門や杉木立の参道が美しく、静けさの中に神話の気配が漂う。 |
| ご利益 | 縁結び・夫婦和合・安産・家内安全 など |
| アクセス | 松江城下(県民会館前/大橋南詰)から市営バス「八重垣線」で約20分「八重垣神社」下車すぐ。 タクシー:松江城下から約6.5km/17〜18分目安。 駐車場:あり(無料・普通車可) |
| 公式情報 | 八重垣神社(松江観光協会) |
記念館周辺で楽しむおみやげと甘味
ぐらへるん








記念館前の「ぐらへるん」は、八雲にちなんだ和菓子や焼き菓子が並ぶ人気店。
「八雲だんご」や「小泉八雲もなか」など、ここでしか買えない限定菓子が評判です。
香ばしいほうじ茶ソフトクリームも好評で、散策途中の休憩にぴったり
| 店舗名 | ぐらへるん(gra Herun) |
|---|---|
| 住所 | 〒690-0888 島根県松江市北堀町321(小泉八雲記念館前) |
| 電話番号 | 0852-21-4033 |
| 営業時間 | 9:30〜16:30(季節により変動あり) |
| 定休日 | なし |
| アクセス | レイクラインバス「小泉八雲記念館前」下車すぐ 松江城から徒歩約10分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
一力堂の「ハーンの羊羹」




小泉八雲をテーマにした和菓子として知られる「ハーンの羊羹」は、老舗和菓子店「一力堂」が手がける人気の銘菓です。NHKドラマ『ばけばけ』にも登場し、地域で話題に。
黒糖と小豆の深みある味わいが特徴で、文学的な余韻を感じる上品な仕上がり。
「島根県物産観光館」など市内のおみやげ店で購入できます。
パッケージには八雲の肖像がデザインされており、お土産や贈り物にも最適です。
桂月堂の「子守り饅頭」




1809年創業の老舗和菓子店「桂月堂」は、松江を代表する銘菓処。
小泉八雲の短編『子守り唄』をモチーフにした「子守り饅頭」は、
ふっくら焼き上げた生地とやさしい甘さの米飴餡が特徴で、地域でも長く愛されています。
八雲が描いた母子の情景をイメージしたパッケージも印象的で、
贈り物や記念土産として人気の高い一品です。
駅からも徒歩圏内なので、旅の最後に立ち寄って“松江の余韻”を持ち帰るのもおすすめですし、市内のお土産店でも購入可能です。
クロード洋菓子店|『怪談』出版120周年記念クッキー缶










小泉八雲『怪談』の出版120周年を記念した限定デザインのクッキー缶が話題。
缶には作品に登場する河童・雪女などをモチーフにしたイラストが配され、表面の「KWAIDAN 120」のロゴが印象的です。中にはさくほろ食感のクッキーが詰め合わされ、物語の世界観をそのまま持ち帰れる一品。ギフトにも映えます。こちらもクロードの店舗ほか、島根県物産観光館、シャミネ松江などお土産店で購入できます。
| 商品名 | 製造元・ブランド | 主な購入場所 | 備考(特徴・一言) |
|---|---|---|---|
| ハーンの羊羹 | 一力堂 | 一力堂/島根県物産観光館/シャミネ松江他 市内みやげ店 | 小泉八雲ゆかりの銘菓。黒糖×小豆の深みある甘さ。パッケージに八雲肖像。 |
| 子守り饅頭 | 桂月堂 | 桂月堂 各店/島根県物産観光館/(取扱時)シャミネ松江他 市内みやげ店 | 八雲の短編「子守唄」ゆかり。ふっくら生地にやさしい米飴餡。母子意匠の包みが印象的。 |
| 『怪談』120周年記念クッキー缶 | クロード洋菓子店 | 本店(上乃木)/島根県物産観光館/シャミネ松江他 市内みやげ店/オンライン | 河童・雪女などのモチーフと「KWAIDAN 120」ロゴ。さくほろ食感、ギフト向き。 |


島根県物産観光館




堀川沿いに位置する大型のお土産施設。
八雲関連グッズから宍道湖七珍、出雲そば、地酒まで、島根全域の名品が並びます。
旅の締めくくりに立ち寄れば、松江の記憶をお土産として持ち帰ることができます。
松江駅のシャミネ松江もお土産は充実しているので立ち寄るのも◎
| 施設名 | 島根県物産観光館(しまねけんぶっさんかんこうかん) |
|---|---|
| 住所 | 〒690-0887 島根県松江市殿町191(松江城大手前) |
| 電話番号 | 0852-22-5758 |
| FAX | 0852-25-6785 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00(年中無休 ※12/31・1/1を除く) |
| アクセス | JR松江駅からレイクラインバスで約10分「県庁前」下車 徒歩約4分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり(有料駐車場割引サービスあり) |
| 公式サイト | https://www.shimane-bussan.or.jp/sb/ |
松江の地酒や和菓子、出雲そば、伝統工芸など、島根の名産が一堂に揃う観光物産館。
小泉八雲にちなんだお菓子や書籍も扱っており、旅の最後に立ち寄るのにぴったりです。


まとめ
小泉八雲の足跡をたどるこのコースは、観光名所を“消化”する旅ではなく、静かな時間を味わう散歩です。
記念館で息づかいに触れ、塩見縄手で暮らしの気配に耳を澄まし、城山稲荷で信仰の空気に浸る。堀川を舟でめぐったら、八重垣で神話の現在地を確かめ、帰り道に八雲ゆかりの菓子をお土産として選ぶ。
その一連の体験が、ドラマの世界と現実の松江を結び、旅のあとも長く続く余韻を残してくれるはずです!















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